ハイブリッドバッテリー ユニットの中身、見て分かる不良個所?をご紹介!
今回ご紹介するのは、駆動用 ハイブリッドバッテリー やボルテージセンサーなどを収納しているケース内において、見て分かる劣化や汚れなどを紹介します。
※写真や説明は、あくまでHVバッテリーエラー(バッテリ系故障)が発生したものを分解しており、わかりやすい写真を掲載するために異なる車種や複数台の写真を使用しています。
バッテリーユニット(ケース)のカバーを外してわかること
バッテリーユニットのカバーを外して確認しても、バッテリーブロックの劣化状態(性能低下)などは一切わかりません。
わかるのはホコリがどれだけ溜まっているかだけですが、ホコリの溜まり具合でバッテリーブロックの冷却効率の低下は判断できます。
整列されたバッテリーブロックは隙間なく配列しているように見えますが、走行など使用時に発熱しますので冷却ファンでクーリングするため隙間がありますが、ホコリが多いとその隙間に溜まり、結果的に冷却効率の低下によりバッテリーブロックの温度が上昇してしまうことから、本来の性能を発揮できない状態となってしまいます。
よって、ホコリが多い場合、バッテリーブロックは過酷な状況で使用されていることになります。(エラーが発生しやすくなる)
※ HVバッテリーを冷却するための吸入口を塞いだり、ホコリが発生しやすいカーペット類の使用などにご注意ください!
ハイブリッドバッテリー をクーリングするための冷却ファン
冷却ファンも汚れています。
下の写真のようにホコリが溜まり、明らかに風量が低下している場合もあります。
バッテリーブロックを連結するリンクプレートの酸化など
バッテリーブロックを連結するリンクプレート(銅板)ですが、
電極部のカバーを外すとナットに白っぽい粉が大量に発生しており、バッテリーブロック同士を連結するリンクプレート(銅板)も著しく酸化しています。
この状態は電気を通しにくく、連結したバッテリーブロック同士の通電を妨げます。
よって、経年や走行距離、使用状況など様々な理由によりバッテリーブロックの劣化(性能低下)が進行し、HVエラーが発生しますが、リンクプレートの酸化などにより、バッテリーブロックの劣化(性能低下)が進行する可能性もあります。
【参考情報】バッテリーブロックの性能低下
バッテリーブロックの劣化(性能低下)は、当然ながら分解しても分かりません。
バッテリーブロックは経年や走行距離、使用状況など様々な理由により劣化し、性能が低下することによりHVエラーが発生しますが、強制リセットしてハイブリッドエラーが消えてもバッテリーブロックの性能が回復することはありません。
よって、強制リセットはあくまで一時的な対処法であり、残念ながら交換する以外に解決方法はありません。
また、強制リセットを繰り返すと、劇的に劣化が進行して始動不能となる場合がありますので、ご注意ください。
当店ではバッテリーブロックを計測機器に接続し、適格な基準により良否の判断を行っていますが、著しく性能が低下したバッテリーブロックは負荷がかかり続けると、写真のように驚くほど膨張します。
※写真は計測のため、バッテリーブロックに負荷をかけた際に膨張したものであり、通常使用で膨張するという意味ではありません
その他
ハイブリッドエラーが点灯する原因の大半はバッテリーブロックの劣化(性能低下)によるものですが、他にもボルテージセンサーなどが原因でエラーが発生する場合がありますので、強制リセットを行うことでエラーの記録を消去してしまい、正確な診断ができなくなる可能性があるのでご注意ください。